パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

エルマンの泣くバイオリン/ Mischa Elman

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大学生のころ、新聞の書評に載っていた「泣くバイオリン」という記事に惹かれて、エルマンのカセットテープを買った。

アルバムにはクラッシックのほか、ロシアの子守唄なども入っていてお気に入りになった。ロシア民謡の旋律は、心に響くものがある。

いつからかカセットデッキを使わなくなり、エルマンは多くのテープとともに棚の奥へと忘れられてしまった。

久しぶりに中古CD屋さんで見つけ、懐かしくてつい買ってしまった。いいものはいくつになって聞いてもいい。これはクラッシックだけなので、また他のも欲しくなってしまう。

その時は解説書には興味がなかったのだが、今回CDを聞きながら初めて読んで、なるほどと思うところがあり、彼の演奏について少しだけわかったような気がした。

引用する。

エルマンは若い世代の演奏家たちについて次のように言っている。「何人かはロマン主義から逃れたがっているように見える。私から見ると、彼らは逃れられないだろうと思う。彼らもそのうちに年をとるわけで、年をとればロマンチックになるからだ。ロマンチシズムというとふつうは若者の特権のように言われているから、これは奇妙に聞こえるかもしれない。別な言い方をするなら、今の時代は心をこめないで演奏する人が多いような気がする。演奏スタイルに人間味が欠けている。」

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