麻の白いカーテン① 南仏便り LINEN MADURA CANNES
フランスの多くの窓辺によく見かける、ごくあっさりとした白いカーテンが欲しいと思っていた。毎夏、カンヌに来て、このインテリアショップでみるたびに「買って帰ろうかな~でも、荷物がいっぱいになっちゃうしな~』と思いつつ、日本にもあるかもしれないと諦(あきら)めて帰るのだった。
しかし無地のシンプルな、どこにでもありそうなものなのに日本ではなかなか見つけられない。同じ白いカーテンでも、レースのような織柄があるものばかり。化繊などテクスチャーも違う。なんでなんだろう。やっぱり、日本では洋間の歴史が浅いから、デコラティブなものがまだまだ求められるのだろうか?
私が欲しいのはむしろ、障子(しょうじ)のように部屋に溶け込んで、優しく光を透かして部屋をほの明るくするようなカーテンなのである。
ここ、南仏カンヌ、Rue d'Antibes(アンティーブ通り)にあるMADURA(マドゥラ)はお気に入りのインテリアショップ。
いよいよ今年はそのカーテンを買うつもりである。いくつか手にとって触ってみた。このLINEN 100%のカーテンは、透け感のある、ソフトでマットでありながら適度に張りのある感じ。水を通して糊を落せばふんわりしそう。
海外の建物は天井が高いからか、カーテンも丈が長い。長さが260センチあるので、充分に足りそうだ。どのようにかけるかは、日本に帰ってから考えて仕立て直しても大丈夫。問題は横幅を何メートル買うか・・・。全部の窓を同じカーテンにしないとちょっとおかしいと思う。
ショップの若い女性スタッフと相談したが、1回では決め切れない。うう、優柔不断な私。。。カーテンのサイズをメモしてから、帰ってゆっくり必要なメーターを計算することにする。
出直したこの日も、同じスタッフがいたので話が早い。余ってもいいので多めに用意することにして、真っ白いリネン(亜麻)100%のカーテンを、幅2メートル4枚と、3.2メートル2枚購入することに決めた。丈は2.6メートルあって、あらためてたっぷりあると思う。
15メートル×2.6メートルとなると、量がけっこうかさばる。重さ5kg。今日はこれからまた用事もあるので持ち帰るのは無理。「お店から日本に送れないかしら?」とスタッフに聞くと、「ここでは海外発送はしていないけど、郵便局に問い合わせてあげてもいいわ」と熱心にいいつつも、実はあまり気乗りしない様子。「じゃあ、あらためて引取りにくるわね」とお店の休業日を聞くと、フランスには珍しく日曜日もやっているという。しかもこの女性も休みなく出勤しているとか。「働き者ねえ」と言うと、「そうなの、大変よ」とわらって答える。
そこで日曜日の朝、キャリーバッグを引いて再度くることにした。といっても、フランスの事だからちゃんと朝から開いているかちょっと不安なので、お支払いは後で。
案の定、10時からと言っていたが閉まっている。その間、近所のカフェで時間をつぶす。11時近くになってオープンした。
お店に通うこと、今回だけで都合3回。ようやく手に入れたカーテンで小さいスーツケースははち切れそうだが、なんとなくウキウキして帰る足どりも軽い。
ウキウキではあるが、この後カンヌをたって、次はオランダにもいかなくちゃならないし、パリ、東京と全部であと3回は飛行機に乗る予定。どうやって日本まで持って帰ろうかなど頭を悩ませる。お世話になっている南仏の会社から、クーリエで送ってもらおうと思い見積もってもらっりもしたが、思いのほかコストがかかるので、やっぱり自分で運ぶことにした。手で持って帰れば空港で免税もできるしね。
スーツケースは大中小の3つ。荷物を減らし、きっちり詰めてようやく3つにまとめることができた。パッキングの苦手な私でも、やればできるじゃん。
本当はもっと色々買いたかったけど...それはまた来年の目標にして、カンヌを後にしたのであった。
日本でのカーテンの仕立てについては、また明日以降に続く・・・