パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

シンデレラ グリム童話②

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昨日、シンデレラのことを書いていたらまた物語を読みたくなった。
ディズニーのカボチャの馬車に乗っていく「シンデレラ」ではなく、グリムの「灰かぶり」 のほうだ。

この年になるまで「グリム童話」を何回買っただろう。
文庫だから、いつの間にかなくなってしまうのだが、ふと思い出して読みたくなる。

 

仕事の途中で紀伊国屋書店に行って本を探した。いろんな出版社から出されているが、もう閉店間際だったのでゆっくり選んでいる時間がない。
そこで最初に見つけたちくま文庫の「完訳グリム童話集」を買うことにした。

 

 

「灰かぶり」をひさしぶりに読み、細かいディティールをだんだん思いだしてくる。そうそう、姉娘たちのいじめぶりはかなりえぐかったっけ。

ディズニーとは違って、仙女(せんにょ、魔法使い)は登場しないで、カボチャの馬車もガラスの靴もない。
娘が舞踏会に行くときは、実母のお墓に生えたはしばみの木の下に行ってドレスのお願いをする。

「はしばみや、ゆさゆさゆさと木をゆすぶって、わたしのうえに金と銀とを投げておくれ」(完グリム童話集第2巻p23)

これこれこれ!
このセリフが読みたかったんだよね~。
昔に読んだ文章とやや違うような気もしたが、おおむね満足。

 

 

 

この棚には別の人が翻訳したグリム童話集もあった。
おなじ「灰かぶり」を開いてみたがとても古い翻訳らしく、あまりにも直訳でそっけないことこの上ない。

例えばダンスパーティーに出た娘を王子が独り占めするシーンでは、『ほかの男がダンスを申し込んだ。王子は「だめだ」と云った。』という調子。

あらすじを棒読みしているようで、ぜんぜん夢がない。別の物語のようだ。


 

当たり前のことだが、外国文学は誰の翻訳を読むかによって、まったく面白さ、印象が違うということを改めて感じたのだった。

大昔の翻訳家は宮廷の暮らしなんか知らなかったのかも。

 

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さて今夜はラプンツェルを読むことにしよう。
これも大好きなお話だ。

階段のない塔の上に閉じ込められたお姫様は、長い金髪を窓からおろして王子を部屋に導きいれる。
最近ディズニー映画にもなったようだ。

 

ディズニーが映画や絵本でビジュアル化したことにより、小さい女の子たちはより具体的におとぎの国を想像できるようになった。

スカートのすそをつまんで歩いてみたり、お姫様だっこに憧れたり。

 

未知の生活を知り、夢見る。それはきっと未来の暮らしを向上させるにちがいない。

 

 

 

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