パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

庭バラを育てて

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まめでなければ、いい花は咲かせられない。

 

 

だから、私の様なものぐさでは世話が行き届かなくて、なかなか自慢できるような花はできなかった。

それでも、不出来な花でも咲くと嬉しくて、庭で眺めるだけでは物足りなく、切っては人にあげたくなってしまう。
それに花は、切っておけば株が弱らないから。

同じ花が一度に大量に咲けば、ブーケも様になるのだが、色も形も不揃いで、蕾あり満開ありのまとまりのないものだったけれども。


ただバラは、手を掛けるほどに美しく咲き、しかしほったらかしでも枯れてしまうほど弱い木でもない。
野生の血が残っているようで、そんなところが私には魅力に感じられた。



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病気はいつも、同じ種類に同じ症状が出る。
うどんこ病にかかりやすい種類、黒星のでやすい個体。。。
慣れてくれば、見つける作業はそれほど大変ではない。

病気は予防できるが、虫はあとから駆除するしかない。


5月、チュウレンジバチは黄色いおなかと黒い羽根で、木の周りをゆっくりと飛びまわる。
虫取り網を構えては、取って取って、捕まえる。
茎の途中に、縦の線が入っていたら、そこには卵が産みつけられている。

黄緑色のちいさな裸の毛虫は大群で、あっという間に大きくなって、葉脈だけを残して食べつくしてしまう。

夏までは毎夕、サンダルをひっかけて庭をまわり、葉の様子や、毛虫がいないかをチェックしたものだ。

雨の跳ね返りを防ぐために、マルチングの代わりに乾燥牛糞を敷き詰めた。
ちょっと臭いは気になったが、そのままおだやかな堆肥になるので、ものぐさにはちょうど良い。

 

晩秋、咲き残ったフラミンゴは寒さのためなかなか散らず、一輪だけ冬枯れの中たたずんでいた。

12月。伸びたつるバラの剪定では、跳ね返るバラの鞭に傷だらけになったっけ。

 

こんな真夏に、昔のバラを思い出すなんて・・・。
ここ毎日、私の中で流行中。


なんかとりとめないけれども。

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写真のばらはグラースのボタニカルガーデン

 

 


 

 

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