アトリエでお茶の時間に村上開新堂のクッキー。
「よし、今日はミルクティーだ。(バイトの)T君牛乳買ってきて」
「ええー、そんなことまで・・パしりですか」
「文句を言うんぢゃない」
昔からのピンクの無地の缶の中にはぎっしりと、たくさんの種類が入っている。
だからこんなT君のように、下の方から引っ張り出してとってはいけない。
くずしたらもう元に戻せないくらいきっちりとクッキーが収まっているのだ。
開けっぱなしにしては、すぐに湿気てしまいカリカリした香ばしさがなくなってしまう。
だから食べる分だけお皿にとってすぐに蓋を閉める。
ひとつふたつ取り出すと、かえって嵩(かさ)が増えてしまい、ふたがちゃんと閉まらなくなる。
だから蓋をするときは輪ゴムをかけておく。
まあ、そんなルールもないけど、最後までおいしく食べるために・・・。
と思ったが、みんなで食べたらそんな心配する間もなく食べきったぁ~。
カリッとして、いくつたべてもちっとも飽きないし嫌にならない。
そして安心して食べられる。
素朴な、奇をてらったところが全くないまじめな開新堂のクッキーは、
やんごとない方がお口にされるような、究極の手作りだ。
知る人ぞ知る。
だから知らない人が貰っても、見た目がごく普通のクッキーだから本当の価値が分からない。
しかしあたりまえのものを食べるのが難しい時代。
そういう品を、あたりまえに作りつづけるのはもっと難しいことだろう。