パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ピエール・エルメのアイスクリーム

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ピエール・エルメのアイスクリーム!すっごーい!今日はまた、エルメのパティシエさんが手みやげを持って来てくれたのだった。

 

 

 

奥さまはフォトグラファーとしてニューヨークで活躍中。
日本に里帰り中で一緒に遊びに来たのであった。

 

いつも、エルメさんのお菓子の組み合わせって面白い。
お話聞いてると、とっても刺激になる。

 

最初の写真を解説。
手前のフルーツいっぱいのゼリーは、カシスとバイオレットのアコード。
甘酸っぱくていろんな味と香りが口の中で次々とはじける感じ!

ちょっと甘みの強いソースと酸味のある果実の、両方がパワフルだから、メリハリがあってとってもおいしいの。

 

日本の最近の洋菓子の多くは薄味というか、甘さ控えめなんだけど、全体にのっぺりした感じで満足感がない。平均化している。
フランスでお菓子を食べると、本当に甘いって思う。けどうまい。

すっごく甘い部分と、そうでない部分が一緒に合わさってちょうどよい甘さ、というのが理想なんだよね。

  

 

これは調香にもいえることで、やわらかい香りを作るのでも、ぼんやりした香り同士を合わせただけだと全体がぼけてしてしまう。

強いものは減らすのではなくて、異なるタイプの強いものでバランスをとる。
そうすると作品にとってもパワーがでるのだ。

 

というわけで、面白いのはカップに入ったアイスクリーム。
これもすっごく刺激的でおいしかった。

なんとワサビが使ってある。
苦味のあるグレープフルーツのさわやかなシトラスは、イチゴと出会ってフレッシュ。最後になって、一瞬だけワサビのスカッとしたグリーンが感じられる。

チオ系のツンとくるところが、 癖になる感じ。

もうひとつはローズとフランボワーズ、ライチ。
この取り合わせは絶対に合うね。
ローズとライチは、ゲラニオールという芳香成分が同じだから。


「ローズと桃は合いにくいけど、ジャスミンと桃は合う。」とか、香りにも一応セオリーがあるのだ。


でも、決まりをはずしたところにイノベーションがあるのだけど。

といいつつモグモグ。

 


 

 

イスクリームサンドもおいしい。

ひとつはイチゴとカルダモンとオレンジの組み合わせで、もうひとつはカシスとバイオレット。

フルーツのフレーバーは当然食べやすい。
一方、フローラルってコスメティックでちょっと食べにくいものだけど、果実の酸っぱさがぐぐっと持ち上げているね。

 

これだけのお菓子、全部ひととおり食べた。
もちろん、ちょびっとづつお味見したのであって、みんなでシェアしたけど。

いくら食いしん坊でもそこまで意地汚くありません!

 どれもとってもかわいい。
白い四角の中は3層になっていて、下からクリームチーズ、パッションオレンジのジュレクリームチーズと重ねて周りをホワイトチョコでコーティング。

クッキー生地に乗っている。

 

一口で食べてくださいっていわれたけど、まさか3個一緒じゃないよね?ってひとつをお口にポイ。

外はパリッと、中はとろりのクリーミー。これもまた酸味がきいていて甘さとバツグンの相性なのであった。

 

甘み、辛味、酸味、という味覚プラス、口ざわりパリパリという触感、見た目の美しさ、まさに五感をシゲキする極上のスイーツを堪能しました。

 

なんか、とっても幸せな気分。文章にも楽しさがでてるでしょう?
お菓子を作るって、みんなの笑顔を作るってことだね!

 

 

 

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