パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

温室 GREENHOUSE now reconstructing

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待ちに待った新宿御苑の 温室が先週オープンした。
忙しくてなかなかいけなかったのだが、ようやく今週になって入ることができた。
面白くって、連日出かけている。

 

初日、外は曇天ですごく寒く、小雨交じりである。
御苑は9時に開園となるが、温室は9時半の開館なので30分ほど外をうろうろ歩く。

ようやくドアが開けられ、いそいそと入場。
温室だから当然、とてもあったかく湿っぽい。

上からはポタリポタリと水滴が落ちてきた。

南国の植物がたくさんあって興奮する。

早速写真を撮ろうとカメラを構えたら、みるみるレンズが曇ってしまう。
もうもうとぼやけて全く見えない。


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『し、しまった、カメラが外で冷え切ってしまい、中との温度差と湿度で結露しちゃった。』

中まで湿気が入ってしまうとまずいなーと思いながらも、ハンカチでカメラの外をふきふきしながら、いまさら外へ出る気にもなれずそのまま中へ進む。

植物はまだ植えたばっかりで育ち切っていないものも多いが、とにかく種類が多い。すでに咲いている花もたくさんあるし、実もなっていてかなり楽しい。

 

「あ、カカオ、あ・・・バナナ、スターフルーツも、アラビアコーヒー・・・」
海外では単独で見たことあっても、一か所にぎっしりと詰めあわされて、温室ってまるでチョコレートアソートボックスみたいだ。

知ってる植物も、初めて見る名前も、あっちもこっちも、「ひゃー、どうしていいかわからないー!」状態。

歩いていると遠くから、ホワイトフローラル系のクリ―ミィな甘い香りがきれぎれに漂ってくる。
香源をしりたい~!

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夢の島植物園も、東京都薬用植物園(小平)の温室もとても魅力的だったけど、ここはシダ類とか水生植物とかすごく充実している。

 

これはオオオニバス
結露が流れ落ちる窓が静かな水面に写りこんで、なんだか不思議な空間だ。

オオオニバスの葉の上に子供が乗っているイラストを子供の頃絵本で見たのを思い出す。
ここのはまだそんなに大きくないけれど・・・。

終わりかけだけど花も咲いていた。
オニっぽい。

 

 

ここにはイランイランはないんだって、ちょっぴり残念。
バニラもまだちょろっとした伸びていない。
もう少し香料植物が多かったらいいのに・・・。

でも、建物の設計から、アプローチや植物の配置、これだけいろいろ集めて育てて、すごいぞ新宿御苑!パチパチ!
1年を通じて植物が単調になりがちな温室の、スロープの上からガラス越しに見える、外の景色は四季を映すパノラマ。

ああ、明日も行きたいなー。
思い出すだけでワクワクしてしまう。


まだ見きれていないものがたくさんあるんだー。

 

 

たくさん写真を撮ったので、少しずつ整理してアップしたいと思っている。

 

カメラマンの知人にこの結露のことを聞いたら、

①乾いた戸外でしばらくズームを繰り返し自然に乾くのを待つ

②入る前にハロゲンなどでレンズを暖めておくとよい

 

ということであった。
ハロゲンは無理だけど、せめてホカロンを懐に入れ、カメラも冷えないよう抱えていこう。

一応、今のところカメラの動作に異常なし。

 

 

 

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