パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

フジバカマと蜜蜂 藤袴 Eupatorium fortunei

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秋の七草のひとつ、フジバカマ(藤袴)である。 

昨年より少し早く咲きはじめたようだ。
薄いあずき色の蕾から、細い糸のような花びらが伸びている。

これがいっぱいに咲くと、色はもっと淡くなりフワフワした一つの塊になって見える。

 

都会にも養蜂をしているところがいくつかあって、新宿御苑には蜜源になる花が四季を通じて咲いているので、たくさんのミツバチがやってくる。

だんだん寒くなってくると花が少なくなってくるので、ミツバチは秋のうちにたくさんの蜜を集める必要がある。

 

フジバカマの生花には匂いがなく、ドライフラワーにすると桜餅のようなクマリンの匂いができる。

花の匂いを確かめようと花の中に顔を近づけて、「蜂にばったり」なんてことがないように気をつけなければならない。

 

 

 

「萩(はぎ) 尾花(おばな) 葛花(くずばな) 瞿麦の花(なでしこ) 姫部志(をみなへし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)」に詠まれている。

 

植物事典 フジバカマ キク科 フジバカマ属 学名:Eupatorium fortunei,

 

追記:その翌年、温室に咲くフジバカマ(藤袴)を見たところ非常に香りが強く驚いた。甘く粉っぽいクマリンやヒリオトロピンのような匂いである。この日はほとんど匂いが感じられなかったが、まだ十分に咲いていなかったのか、または戸外でにおいがとどまっていなかったのだろうか。 2013/10/23

 

 

➤植物事典 ムラサキシキブ クマツヅラ科 ムラサキシキブ属  学名:Callicarpa japonica

 

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