ウツギ(空木、Deutzia crenata)はこの時期に咲く白い花。
新宿御苑の母子森の小さなウツギはもっと早くに咲いていたが、新宿御苑の池のほとりの大きなウツギは今が満開である。
「卯の花のにおう垣根に 時鳥(ほととぎす)はやも来鳴きて 忍音もらす 夏は来ぬ」
この短い詩の中に、この時期の美しさが表現されつくしているようである。
まだ明けきらぬ薄青の、ひんやりした朝の空気に白い花が浮かび上がると
やがて小鳥たちが目覚め、爽やかな乙女のような花々に恋の歌をささやく、、、
というこれは勝手な解釈。
何度か書いているが、ウツギはあまり匂いがない。
いやべつにこの素晴らしい歌にケチをつけるわけではなく、卯の花の色が映えるように美しいさまを「におう」と表現しているわけである。
雪のように白く、しなる枝にふさふさと咲く。
来週は雨が降るそうだ。
梅雨の前、五月雨(さみだれ)が降り卯の花を散らす。
卯の花腐し(うのはなくたし)と言う。
丸い大きな花びらを持つのは、はバイカウツギである。