パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

春の香りジンチョウゲ 沈丁花 2014

ジンチョウゲ.jpg

沈丁花 2014

沈丁花の香り

高く透明で甘酸っぱいグリーンフローラルと、低い方に感じるやや重いバルサミックのハーモニー。
それは寒暖のせめぎ合いにも似ている。

暑苦しいチュベローズに比べ涼しげな香り。

 

最初のジンチョウゲの香りは、冷たい空気の中にピンっと流れてくる.。
だから春というにはまだ寒い時期なのだが、黎明というか、これを境に希望が見えてくるような気持ちになるのだ。

 

標本木

場所によってはもう満開になっているジンチョウゲもあるけれど、(私の中では)御苑の沈丁花を標本木として、これが咲くのをもって春と判定している。勝手にマイ標本木。

 

本来の「標本木」は、開花情報などを発表するときに指標として定めている観察の対象の木。

さくらの、うめ、イチョウのほか、ツバメ、あぶらぜみ、ほたるなど、全国の気象台で、決められた動植物の開花日や現れた日などの観測を行っているが、これを「生物季節観測」というのだそうだ。

季節を告げる香り

「うぐいすが鳴いています」とか「啓蟄」など、天気予報で節気や歳時記とともによく耳にする。
気温だけでなく、季節をこういった身近なもので感じるというのが四季のある日本らしさじゃないかしら。

海外でもこういうものってあるのかな。

 

気が付けばキッチンに朝日の射す時間帯が早くなっている。
日没もおそくなり、夕方6時でもぼんやりと明るい。

春分ももうすぐだもの。

 

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