パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

クスノキの花 楠木 Cinnamomum camphora

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雨上がり、新緑の初夏の道を歩いていると、青臭い強い匂いが、細かい花と一緒に降ってくる。
このあたりは大きなクスノキの樹が多いので、いっせいに咲いているのだろう。
 
この香気のベースにある匂いに、なにか懐かしいものを感じていたが、それは昔の洗濯のりであった。
 
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クスノキの樹から発せられる匂いは、爽やかなリナロールとブラックペッパーのようなスパイシーな香り。そこに、花のややねちっこいハニーグリーンの香りが重なる。
 
 
あたり土臭さが水蒸気と一緒に立ち込めて、みどりいろの5月の、萌(も)える匂いとなる。
 
 
 
 
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ひとつひとつは小さくて、香りも強くないけれど、雪のように降り注ぐ何万の花。
 
 
 
 
 
 
 
 
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