シャルトリューズ(CHARTREUSE )はリキュールの女王とも呼ばれるそうだ。
プライベートなお酒の勉強会で、六本木にあるオーセンティックなバー「CASK strength 」に集ったある休日。
「ちょっと試してもらいたいリキュールがある」
ということで出していただいたのはシャルトリューズ・ヴェール。緑色がきれい。
お酒の由来などは店長の受け売りであるが、フランス17世紀から始まり、18世紀にシャルトリューズ修道院より伝わった薬草酒だそうで、130種類のハーブを配合しているという。
一番右のボトルは現在流通している普及品。
ほんの少し含むと、口の中がカッと熱くなるのはアルコール度数55%だから。香りはハーバルというより、予想したよりもスパイシーでアロマティーク。アニスとかナツメグやゴムのようなミドルで、ラストの舌残りには「温かいカステラの入った木の箱」の香りがする(独断)。
中央は1930年頃に流通していた当時の普及品。80年程前のなので、今のよりももちろん希少である。
香味は、より薬っぽい。ミントを煮詰めたような味わいが印象的で、これはミントよりもむしろ、アルモアズとかワームウッド(ヨモギに近い)にある、スーッとした香りのように思う。そういえば、菊の葉のような苦みも感じられる。残香はファーバルサムの、カラメルのような焦げた甘み(マルトールとか)もある。
(130種類も入っているというのだから、なんのハーブ・スパイス名を言ってもあながち間違いではなかろう。。。)
一番左はさらに貴重なもので「シャルトリューズ・ヴェールV.E.P」という。(VEPはVieillissement exceptionnellrment prolongéの 略で長期熟成品の意味)
1953年に蒸留されたものを、9年間も樽(たる)で熟成させ、1962年にボトルに入れたものである。アルコール度数は若干低いのだが、口の中では3本の中では最も強く感じる。色はダークな褐色。
香料ならムエットにつけて嗅ぐのはわずか0.01gほど、一日に試せるのは百以上。
お酒だとそうはいかないので、勉強(鑑賞)できるのにも限りがある。アルコリックを極める道は遠く細く長い。
今も昔も、アルコールは霊薬。お酒も香水も、ほどほどに嗜(たしな)むものであった。
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