パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

カシスのリキュール Cassis de Mouton & Creme de Cassis②

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先日の「クレームドカシスと海苔の佃煮①」に続いて、この日はまた別のカシスのリキュール、「カシス ド ムートン(Liqueur de Cassis de Mouton Rothschild)」と、「ドメーヌ・サトネイ/クレーム・ド・カシス(Domaine Sathenay/Crème de Cassis)」を比べてテイスティングさせていただいた。
 
「カシスドムートン」は「ドメーヌサトネイ」よりも糖分が少なく、さらっとしている。フランスのワイナリーでは五大シャトーの作るリキュールだけあって上品な味わい。
 
シャトー・ムートン・ロートシルト(Rothschild)はドイツ語読みのカタカナ表記で、フランスではロッチルド。英語のロスチャイルドの読みが日本では通りがよい。フランスのシャトーなのに、なぜドイツ語読みが通称なのか尋ねたところ、「ロートシルトの名で出回っているのは、おそらく財閥の出身地がドイツのフランクフルトだからではないでしょうか。」ということ。
 
なるほど~、ひとつお利口になった ♪
 
 
なんでも、1リットルに対して400mlの糖分があるものをクレームドカシスと呼ぶので、このカシスドムートンは糖分が少なく、クレームドカシスとは呼ばないのだそうだ。
 
ふたつ賢くなったわ~♡
 
 
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製法など詳しい説明はお酒の専門家に譲るとして、香りについて。 これは決してこのお酒の本質的な香りというわけではなく、ちょっとした印象としての感想である、と前置きをして語ってみる。 前回、クレームドカシスについて「ジメチルサルファイド*」のことを書いたので、今回もそれになぞらえると、このカシスドムートンは甘みが少なく、したがって海苔の佃煮というよりも醤油(しょうゆ)のような味わいである。甘さよりフルーティな酸味と、鹹味(しおからさ)を感じる。 (カシスドムートン=醤油の香りというつもりはないので誤解の無いように。)
 
うんと若い頃はともかく、中ぐらいに若い頃はさほどお酒を飲む機会がなく、リキュールを単品で飲む機会は特に少ない。 最近はアルコールの新しい世界を知り、知識と香りの経験が広がっていくのが嬉しい。アルコリックパフューマーの勉強は今も進行形である。(あくまで研究であるのは言うまでもない)
 
 
 
 
 
六本木のオーセンティックなバーにて
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