ホトトギス(杜鵑草)という草花は、茶花にもよく使われる。
侘(わ)びたところが、1輪ざしにあっさりとよく似あう。
花は夏からすでに咲きはじめているのだが、日陰に咲くせいか、秋になって光の落ち加減が変わると、急にその存在感を増すようだ。
紫の花の中心には褐色の斑点があって、これが鳥のホトトギス(時鳥・不如帰)の胸の柄(がら)に似ているため、なぞらえてこの名がついたという。
小さくて地味な花だが、よく見ると構造はユリと同じような三枚の花びらが2組の6枚である。
匂いはほとんどないか、微香である。そう、また確かめなくては。
ホトトギスと言えば紫色を思い浮かべるが、珍しい黄色や白などの種類も大変美しい。
➤植物事典 ホトトギス・杜鵑草 ユリ科 ホトトギス属 学名:Tricyrtis