パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

TABU 1932年 ダナ タブー

 

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「禁断」という名の香水。1932年。

 

 

 

 

 

カーネーションとパチュリのアコードのこの香水は甘く重く暗い、三拍子そろったオリエンタルタイプ。今どきはつける気になれない。特に日本では。夏の授業でこの香りをムエットにつければ、教室の中を征服してしまう。

 
比べて同じ系譜と言われるサンローランのオピウムは、絶妙なアコードで重さを感じない。バルサム、レジン類がだらけずにびしっと立っている。

 

 

でも、このタブー。ネーミング、イメージ、香調がばっちり決まっていて、広告写真が実にすばらしい。

 

 

伴奏ピアニストがあまりに魅惑的な匂いなので、演奏中に、我を忘れてキスをするバイオリニスト。だれだって、こんな想像をかきたてられたらタブーをつけてみたくなるに違いない。

 

 

こういった香水は、天然香料の良しあしで断然違ってくる。
 
使える素材が変わり、昔のようなニュアンスを出すことはできないだろう。
近い香料で置き換え、置き換え直しても、それは最初の意図と少しづつずれて、度重なる修正のはてに別物になってしまうのが常である。 

 

 

☆ 香水名    タブー (TABU)

☆ 発売年 1932

☆ 香調   トップノート ベルガモット・バジル

        ミドルノート カーネーションジャスミンクローブ・ローズ

        ラストノート パチュリ・アンバー・バニラ・ムスク・オークモス   

☆ パフューマー   ジャン・カール(Jean Carles)

☆ ブランド      ダナ (DANA)

 

 

  

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写真はすべてパルファンサトリの所贓品です。 

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