パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

散歩の効用 ②心のデトックス Shinjuku-Gyoen

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なんやかやで、ずっと散歩に来れなかった。

忙しいと頭は煮詰まるし、気持ちがパンパンになってしまう。


 

やはり来てよかった、いつもそう思う。



吐く息が白い。
ふたたび深く息を吸い込むと、朝の木の精を吸いこむようだ。

全身で朝を味わう。
草木の呼吸を感じる。

 

 

心に溜まった滓(おり)が知らぬ間に消えていく。

魚が水の中でしか生きられないように、私は植物のそばにいなければ窒息してしまう。

 

 

砂利道と芝生の上では足裏の感覚が違う。
目に見えるもの、におい、空気の冷たさ、遠い鳥の声。

 

この坂は、いつもほのかにクマリンの匂いがする。
この曲がり角はブラックペッパーのようなウッディスパイシー。

 

 

死んでしまったように見える静かな母子森の池のほとりでさえ、
地面の下には「いのち」がみっしりと満ちている。

 

 

もしかしたら、冬は一番楽しい季節なのかもしれない。
いつだって、前夜祭はワクワクするものだから。

 

 

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