とまあ、お昼ご飯を食べに行ったのであるが、いったん話を戻すことにする。
カンヌから目的地までナビを入力したにもかかわらず、幹線道路がいつのまにかなぜか畑道のようになり、完全に道に迷ったようである。
下肥を運ぶトラックがひどいにおいをさせながら横を通り過ぎていく。
結局、紙の地図をみながらルートを探索し走り続ける。
==== 横に見えるのはどこの山だかもうわからないが、地中海沿岸地方特有の岩盤でできた山肌が見える。
南仏ハーブはこうしたミネラルが多く水はけのよい土地に育つ。
ようやく目的のルートに戻ったようだ。ランドマーク的な大きな湖に出た。
サン・クロワ湖という。
この写真では色がよく出ていないが、移動中の車内から見る角度が変わると、セルリアンブルーからターコイス・ブルーへと変化する。
日本では長野県のどこかでも似たような色の湖を昔見たような気がする。
しかし、ここの湖はとても大きい。
湖に沿って急なカーブの連続を走り続け、目的地であるヴァロンソル高原へ向かう。
道のりは半分を過ぎ、そろそろラバンジンの畑がところどころに見えてきた。
ラベンダーはもう刈り取りが終わってしまったようだ。
手前に見える黄色い花はジュネ。
エニシダ、ブルームともいう。
ジュネは明るいグリーンノートで少しスティッキーな甘い蜜のハニーノート、藤の花の香りをもっと柔らかくやさしくした感じがする。
奥に広がるラバンジンの畑。
山間のつづら折りの道を走り、右に左にシェイクされ少し酔ってしまったのでここで休憩を入れる。
目的地まであと30分くらいのところである。
延々と続くかに見える広大なラバンジンの畑。
手で触れなくても、風に乗ってさわやかなカンファ―ノートがやってくる。
胸いっぱいに吸い込むと疲れもすっきりとする。
しかしこんな早い段階で喜んでいる場合ではなかったのだ。
ラベンダー Lavandula vera, Lavandula angostifolia
高地の乾燥した山岳地帯で生育。各茎の中央に1つだけの花がつく。
アスピックラベンダー Lavandula spica
海抜0~800m 複数の茎に分岐し、それぞれの茎には幾つかの小さな花が咲く。
ラバンジン
ラベンダーとアスピックの交配種で、比較的簡単に栽培でき収穫量も多い
つづく