パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

ウビガン ケルクフルール Quelques Fleurs_Houbigant

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ウビガン(Houbigant),ケルクフルール(Quelques Fleurs),1913年発売の香水。
アンティークボトル。
 
ふっくらしたボトルとストッパーが可愛いし、ラベルもノスタルジックな感じで、全体として魅力的。この香水瓶は10年ほど前に購入した。当時はまだアンティークの香水がパリの蚤の市でたくさんあったし、日本に持って帰るのも、今ほど難しくなかった。
 
中の香水が失われてしまっているのがとても残念。香水瓶の収集家の中には、中身の香水にはあまり興味がない人がいて、きれいに洗ってしまう人も多いそうだ。
 
 
ケルクフルール、という名前を口ずさめば「音」がとてもチャーミングだし、「いくつかの花」という意味もロマンチック。ボトルの形と相まって、少女趣味的な憧れだったので、瓶だけでも手に入ったときは嬉しかった。
 
 
 
アルデヒドタイプ」はシャネルの5番に始まるといわれるが、ケルクフルールは合成香料アルデヒドを初めて(わずかに)使った香水といわれている。
 
 
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ネックの付け根には、「Houbigant 」のHマークが刻印されている。
 
フランス語はHを発音しないので、「エルメス」を「ヘルメス」と言わないように、「Houbigant」はウビガンと読む。ウビガンというブランドは何度も売られて、多くの香水の処方は会社都合でだいぶ変わってしまったそうだが、ケルクフルールだけは大事にされていたそうである。
 
 
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1932年に発刊された「La Parfumerie Francaise et L'art dans la Presentation」のページと一緒に撮影。
 
 
 
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