アトリエの窓から、新宿御苑の紅葉が見える。樹冠を超えて向こうには、青山通りを赤坂方面へと並ぶビルが黄昏に沈もうとしている。
ほんの2-3日で、鮮やかだった銀杏並木の黄金色も、曇り空に色褪せてものさびしい。
夜には、サーサーと、雨の様な音を立てて落ち葉が散るのが聞こえる。
寒い朝、つい、うつむき加減に歩けば、ランダムに散りばめられた銀杏の葉の模様に楽しくなる。夜のあいだに落ちた黄色、黄緑、山吹色を透かして、歩道のアスファルトは乾いた濃いグレー。
風もないのに、どうしてあの葉は動いているのかしら?
よくよく見れば銀杏の葉にそっくりな小さな蛾。もっとよく撮ろうと近づいたらひらひらと飛んで行ってしまった。