今日咲いていた桜 ソメイヨシノ。
これは確かに季節外れのサクラ、2輪だけついていた。
勘違いして咲いたものの、10月前半の暖かさから急に気温が下がったので、首をすくめて寒そうに見える。
こちらは十月に咲く「ジュウガツザクラ」
花かんざしのよう。
どの植物も、一年のうち花の咲く期間はとても短い。
寒さに耐えて、芽が出て、葉にたっぷりと日光を浴びて、根から栄養を吸収して、、そして立派に花が開く。
いいえ、たとえ立派じゃなくささやかな花であっても、その時期せいいっぱい咲かせる。
キンモクセイのように、花期が一週間しかない木がある。
3か月咲きつづける槿(むくげ)だって芙蓉(ふよう)だって、それぞれの花は一日しかもたない。
幹は花に命をつぎ込んでいる。
夏の間ひととき新宿御苑のプラタナス並木の下を、ピンクのじゅうたんのように飾っていた素朴な花ツルボ。
あとかたもなく消えて、今は柔らかな苔と枯葉が残っているだけ。
一方で、まだ秋だというのに春のスイセンが葉を伸ばし始めている。
もう来春の準備は地面の中で着々と進んでいるのだ。
あと、3カ月もしたら白い水仙の花が一面に咲いて、あたりに強い香りを放つだろう。
人生だって、一生のうちずっと花を咲かせていようなんて思ったら大変だ。
早く咲いても、遅く咲いてもいいけど、花を咲かせると株は弱る。
だから、咲いたら散ってもいい。
次の世代の栄養になったらいいさ。