雨にけぶる新宿御苑。
いつも夏でも爽やかな新宿御苑も、今日はひどく蒸し暑い。
気温はそうでもないのに、湿度が異常に高く、苦しくてとても歩いていられないくらいだ。
それでも、「夏にはプラタナス並木のあたりに、'ツルボ'という花が咲く」という案内を読んで、ぜひ見てみたくなりそこへ向かった。
うーん、しかしそれらしきものはなく・・・。
手入れの作業をしている方に、どこにありますか?と聞いたところ、
残念ながらまだ、ツルボはこれからということであった。
また、楽しみが増えた。
新宿御苑で働いている方はみんなとても親切。
どこに何が今咲いているかよくご存じだし、地図をひろげて調べてくださったりもする。
きっと、みんな植物の好きな方たちなんだろうなあと思う。
しかし、この蒸し暑い雨の中、もくもくと草を抜いたり刈ったり、大変な作業だ。
この広い園内、順繰りに手入れをしていっても、すぐに季節は巡って次の一年になってしまうのだろう。
いつもどこかで掃除したり剪定したり、巡回していたり。
快適な環境を作っているのは、こうした地道なお仕事の上に成り立っているのだと感じている。
昔、私を指導してくださった先生の言葉が思い出される。
「よそのお庭に咲いている花を見て、ああきれいだな、で終わってしまわないで、その背後にある、家の御主人の庭を維持する努力も感じることが、物を深く見ることなのよ。」
丹精込めた花。慈しむ気持ちや日々の努力が咲かせているのだ。
本当にいつも居心地よくさせてもらっているから、感謝の気持ちでいっぱいだ。