パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

チューリップ

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いきなりなんだけど、チューリップは高い。

 

一つの茎に、一輪しかついていないのに、それなりの値段がする。
でも、一つの球根から一輪、と考えると、やっぱ仕方ないかな、と思う。

 

シンプルな形と、わかりやすい色のせいか、小さいころ、一番初めに描く花はだいたいチューリップだ。
そのせいか、子供っぽいイメージが強い。
オランダでは、17世紀から品種改良が盛んで投機の対象だったが、日本ではそれほど種類がなかったように記憶している。

昭和の時代は、花のバリエーションは、今よりもっともっと少なかったものだ。

 

ところが、私が大人になるころは、どんどん素敵な変わり咲きのチューリップが店にでてきた。

華やかな八重咲き、フリル、パロット、色変わり。
そして花瓶から、茎が伸びて下がって上がる、美しい曲線のチューリップとか。

チューリップって、エレガントなものなんだー。

 

しばらくの間、夢中になっていたが、こういう贅沢なものも少し飽きてきたころ、
原種に近い小さいチューリップに出会った。

「クレヨン」という名前で、花の大きさが2センチくらい、背丈も15センチ程度の、本当に子供のお絵描きのような形。

コップに挿したらぴったりの、可愛い可愛いチューリップだ。

昼間はぱっちりと開いて、夜は几帳面につぼむの。

 

この写真は、ユリ咲き系と言うのかな。
花弁の先がとがっていて、ツンとすました感じ。
一輪でも存在感があるし、和っぽい場所にもそれなりにしっくりくる。

 

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与一「答えはあしたなんて、何をもったいつけてんすか。早く教えておくんなまし」

<昨日の答え>

この藤の花の桐箱は、七味入れ。
ふたを少しずらして、この細い溝から七味を振る。
中身を入れ替えるときに、大きく開けるのでした。

 

 

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