この花は名の通り、蝋細工のように見える。いい香りのする花木(かぼく)だ。
ロウバイを暮れあたりからお花屋さんで見かけると欲しくなるのだが、正月はやはり長持ちする松と、はっきりした色の蘭と、赤い千両や、そんなお決まりの感じで飾ってしまう。
ロウバイは色も黄色で明るく、初春の花のイメージがある。なので、いつもなんとなく年明けて一番初めに活ける。
暖かい部屋だと、花はすぐに乾いたように落ちてしまう。どことなく作り物の様な花で、匂いが強く、部屋の中が甘い香りでいっぱいになる。香りは梅にも似ているが、梅のほうが上品だと思う。ベンジルアセテートが強い。
買う前は「いいな」と思うのだが、買った後はそんなわけで、ちょっとがっかり感がある。外に咲いているほうが素敵だ。
梅の名なので、長いことバラ科の植物だと思っていたが、ロウバイ科ロウバイ属だそうだ。
▶ 花事典 /ロウバイ ロウバイ科ロウバイ属(chimonanthus praecox)