こんな風に撮ってしまったら大きさがわからない。
けど、これは姫柚子といって、直径が4センチくらいの可愛い柚子。
ざっかけなく食べられる、お肉のおいしいお店があって、そこでバケツにてんこ盛りの姫ユズなるものを見た。帰りがけにみんなもらっていく。私も3つもらった。(お店の紹介は後日)
もう一種類、逆に巨大な柚子も飾ってあって、こちらは皮を甘く煮て、素朴なおやつにするそうだ。ごつごつした皮で厚そうだ。
柚子の香りは、香水の世界でも使われる。
古いところでは、キャロンの香水、le 3eme Homme(第三の男/1985年)のトップノートに柚子が使われたと言われている。日本人調香師、亀井明子さんの作品だ。その意味は、「柚子の天然香料を使った」のか、「柚子らしさを強調した」のかはわからないが、嗅いだ感じではあまり柚子っぽさはない。
話題にはなったのかもしれないが、当時の欧米ではあまり柚子の存在自体、認知されていなかったと思う。
生の柑橘類を輸入することは難しいので、ヨーロッパでは柚子は料理関係者でも知られていなかったそうだ。ここ数年、急に注目された素材らしい。
お椀の蓋を開けた時にふわっと立ちあがる香りは、食欲を増す。香りを肴に出汁(だし)を吸う、と言う感じ。日本人はすごいな、と思う。パリの料亭「あい田」では、椀ものにちゃんと柚子が入っていたが、苦労して手に入れていることだろう。
香料素材としても需要が増えた。皆さんもよくご存じだから、いまさら香りの説明もなんだけれど、グレープフルーツよりピーリーな、苦みのある皮の匂いは、スパイシーな感じもする。
匂いの構成は、Limonene(かんきつ特有の香り)のほか、特徴的な香気成分として 8-Methylnonanal,8-methyloctanal,8methyldecanal などが挙げられる。
▶ 花事典 ユズ ミカン科 ミカン属 学名:citrus junos sieblod ex.Tanaka