おてんばでエレガントとは言えないディオールの妹が、またもこの香水の企画会議に遅刻してバタバタと入ってきたときに、
「よし、(マドモアゼルでなくて)ミス・ディオールにしよう!」と決まった・・・というエピソードは有名だ。
が、実は、当時は英語が流行っていたからというのが本当の理由、という説もある。(日本で、何でもカタカナの名前が売れた時代があったように)
匂いはシプレー(Chypre)・タイプのど真ん中。意外に思われるかもしれないが、男性用のアラミスと似ているところがある。やや硬質な香りで、確かに「マドモアゼル」や「マダム」より「ミス」がふさわしい。
ベルエポックと呼ばれる、この時代のファッションはエレガントでうっとりしてしまう。ディオールは、女性にロマンを見ていたのだろう。
先日パリへ行った時に、ブランド店のウィンドウをあちこち見ていたら、この時代のデザインを彷彿とさせるドレスが飾られていた。不況の時は、クラッシックがはやるとか、流行は繰り返すと言うが、再びエレガント路線が来るのかもしれない。
私にとっては大変うれしいことだ。