パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

白いヒヤシンス Hyacinthus

100312ヒヤシンス.jpg

別名の「風信子(フウシンシ)」は、春風に揺られて鳴るベルの花をイメージさせる。

 

ヒヤシンスは、19世紀半ばにオランダから日本に入ってきた。明治の初めは飛信子(ヒ・シンス)という字をあてていたそうだ。その方が発音に近い。

そのあと、故意か間違いか、「飛」の漢字が「風」に変わっていって、今の呼び名になった。
別名「錦ユリ」とも言うそうだが、やはり風信子のほうが耳によい。

 

早春のまだ午前中、庭に出ると青い匂いがたちこめている。
たった2-3株咲いているだけで、ヒヤシンスは冷たい朝の庭を征服してしまう。

黄水仙ヴィオラフリージア、スズラン。春は香りの花が多い。それでも、ヒヤシンスのグリーンノートはすぐそれとわかる個性的な匂いだ。

強くキーンとメタリックなハニーグリーンで、少し焦げたようなバルサミックな甘さもある。

 

フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)はヒヤシンスアルデヒドとも呼ばれ、ヒヤシンスの特徴的な香りを作っている。他、ローズP(もっともローズPの中にはフェニアセが入っているのだか)やガルバナムなども少し入れてグリーンハニー感を出していく。

 

100312ヒヤシンス2.jpg

 

▶ 植物事典  ヒヤシンス  ユリ科 ヒアシンス属  学名:Hyacinthus Orentalis

 

 

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.