別名の「風信子(フウシンシ)」は、春風に揺られて鳴るベルの花をイメージさせる。
ヒヤシンスは、19世紀半ばにオランダから日本に入ってきた。明治の初めは飛信子(ヒ・シンス)という字をあてていたそうだ。その方が発音に近い。
そのあと、故意か間違いか、「飛」の漢字が「風」に変わっていって、今の呼び名になった。
別名「錦ユリ」とも言うそうだが、やはり風信子のほうが耳によい。
早春のまだ午前中、庭に出ると青い匂いがたちこめている。
たった2-3株咲いているだけで、ヒヤシンスは冷たい朝の庭を征服してしまう。
黄水仙、ヴィオラ、フリージア、スズラン。春は香りの花が多い。それでも、ヒヤシンスのグリーンノートはすぐそれとわかる個性的な匂いだ。
強くキーンとメタリックなハニーグリーンで、少し焦げたようなバルサミックな甘さもある。
フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)はヒヤシンスアルデヒドとも呼ばれ、ヒヤシンスの特徴的な香りを作っている。他、ローズP(もっともローズPの中にはフェニアセが入っているのだか)やガルバナムなども少し入れてグリーンハニー感を出していく。
▶ 植物事典 ヒヤシンス ユリ科 ヒアシンス属 学名:Hyacinthus Orentalis