クリスマスローズとは言うけれど、クリスマスでも、ローズでもない。
年明けから春まで長く咲き続けるキンポウゲ科の花。
明るい林の下草に、うつむき加減で群生する。
「さくら」に目を奪われて見過ごしがちだけど、味わいのある花。
中学生の頃のこと、
お茶の先生が庭からクリスマスローズを切って活けたのを見て、その名を教えてもらったときは、あまりの地味さ、名前とのギャップにがっかりしたものだ。
「侘び」のわからない年齢である。
今ほど園芸種はなかったと思う。
もしかしたら原種だったかもしれないが...昔すぎて忘れた。
しかしその後だいぶ経ってから、パリのお花屋さんのウインドウに、白いクリスマスローズの切り花を見つけた。
無造作に飾られていたのがとても新鮮だった。
クリスマスローズは庭に咲いているより、ガラスの花瓶に活けたほがステキな気がする。
飾り棚は目線より高い方がいい。
窓の光がガラス瓶ごしに透けて見えるようだと、もっといいと思う。