パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

雀 スズメ tree sparrow

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昔に比べて、都会では雀の数がずっと減ってしまったような気がする。

ありふれた鳥なのに、生き物が身近に少ないせいか、
貴重なもののようにも思える。
 
掃き出しの窓の前に座って、毎朝の一服をしながら静かに待っていると、時々近くまで寄ってくる。
そっと写真を撮ろうと身じろぎをすれば、すぐに気配を察して逃げて行ってしまうのだが。
 
 
 
「ちいちいぱっぱ、ちいぱっぱ。スズメの学校のせんせいは、ムチをふりふりちいぱっぱ」
懐かしいこのフレーズは、今でも子供たちにうたわれているのだろうか?
 
大人になって歌詞の意味をよく考えると、少し怖い気もするけれど、昔話って理不尽に残酷なものもあったりするし。。。
 
とにかく、スズメが日常に親しまれてきた存在だということを感じる。
 
 
 
我が家では、ご飯を炊いたときは、親指ほどの量を小皿に乗せて、お仏壇にお供えするのが習いである。
翌朝に、その乾いたお米を少しの水でふやかした後、庭に撒いておくと、雀がやってくる。
 
考えてみれば、一粒のお米は、雀にしてみたらおにぎりくらいの大きさがあるに違いない。
 
ほんのひとつまみのご飯が、雀たちのおなかを満たすことを思うと
「ご飯粒を残すと罰が当たる」
といった昔のひとの言葉が、改めて思い出されるこの頃である。
 
 
 
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