パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

夏の野道 道草の想い出

  110727夏の野道.jpg

夏、暑い陽盛りの道を歩く。こうした草の生えた土の道もずいぶん減ってしまった。

私の通った小学校は、武蔵野の自然がはぐくむ中にあった。

校舎から正門までは遠く、長い桜並木がカーブして続いていた。

子供の足ではずいぶん時間がかかる。

その上、並木をそれて、草むらを色々な植物を探しながら歩けば、あっという間に時間は経ってしまう。

 

夏休みの前、クラスの父母会があったと思う。

終わった後、母は一足先に他のお母さんたちと一緒に、しゃべりながら門へ向かっていった。

そのとき確かに母は「門で待ってるからね」と言ってたようだ。
私はそのことをすっかり忘れ、いつものように校舎を出てから道草を食いながら歩いて行った。

たっぷり1時間はかけただろうか。

 

すると、正門には待ちくたびれて鬼のような顔をした母親が・・・。
その先はどうなったか覚えていない。

 

白日夢のような、おとろしい顔であった。

 

小学校の近くの、とあるお家に、放課後ピアノを習いに行っていた。
その途中もころあいの並木道が続いていて、両脇には雑草がモサモサ生えていた。

縁のある、白い木綿の制帽をかぶっていた小さい私。
何をしていたかは忘れた。


でも、あんまりレッスンに来る時間が遅いので、ピアノの先生が心配して家の前に立って待っていた。
『ガーンッ・・・。』

もしかして忘れてしまったのかと、先生は私の家にまで電話をしたらしい。


きっと家に帰った後、叱られたに違いない。

 

いまだに、あとちょっと、と思っていてついつい夢中になり、すぐに1時間2時間経ってしまうことがよくある。
「習い性」というか、「雀百まで踊り忘れず」というか。

(あ、でも今は、約束の時間には遅れない。かなり正確~。(~_~;)

 

 

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.