吉岡耕二さんの東急文化村での個展は10回目になる。
彼の絵画は色遣いが大変美しい。
アトリエでは、壁のぐるりに描きかけのキャンバスが幾重にも立てかけてあり、高い天井、ほの暗い部屋に花が咲いているかのように色彩があふれている。アトリエ、制作現場はどんな業種もとても魅力的だ。(とりわけ、においだけはそこにいかなければ嗅ぐことはできないから。)
それが、すてきな額に入れられて会場に並ぶと、また違った表情になる。この絵は、こんなお部屋にふさわしいだろうな、とか想像しつつ、いずれ誰かのサロンや、プライベートな場所に飾られて行くのかと思うとそれもまた興が湧く。
今までは少しシックな色遣いの時もあったが、今回は、スペインをテーマにした個展。情熱の国のイメージ通り、鮮やかな朱、赤、黄色が印象的。
(ちなみにあの、DANAのTABU(タブー)と言う香水もスペインの会社だ。)
オープニングパーティーでは、シェリー酒を樽から注ぐパフォーマンスがあり楽しませていただいた。
私も次の仕事がなければひとついただきたいところだったが、ワインで我慢。
森山良子さんにもばったり、大勢の方が来られていて会場は活気があった。
参考までに、下記はBunkamura ギャラリーHPから
吉岡耕二 色彩の旅 -Spain, Costa del Sol-
色を追いかけてきた。太陽を追いかけるように―。
1968年、吉岡耕ニは24歳で自由な色彩表現を求めてパリ国立美術学校に留学。才能の開花は早く、1975年に日本人としては最年少の31歳でサロン・ドートンヌの正会員に推挙されるという栄誉に輝きました。パリ留学中のころから現在に至るまで、地中海を中心としたヨーロッパや北アフリカ、カリブ、中国など様々な土地を巡り、その情景をキャンバスに描いています。
Bunkamura Gallery で1997年から始まった「地中海シリーズ」では、14年間のパリ在住の間に旅したギリシャ・イタリア・フランス・トルコなどの各地を鮮烈な色彩と大胆な画面構成で表現し、観客を魅了し続けてきました。
そして、今回で10回目となり、記念すべき節目となる本展のテーマは「スペイン」。北はカタロニア地方から、中世の町並みを残すトレド、そしてコスタデルソル。太陽海岸を意味するこの地は、南スペイン、アンダルシアの地中海沿岸部、アルメリアからジブラルタルに至る、約300キロの海岸線です。焼けるような日差しと白壁がまぶしい家々。吉岡の筆がスペインの光を捉えます。
新作40点余で構成される本展は、油彩や版画作品のほか、これまでの軌跡をポスターや写真を通して辿る予定です。
独特の伸びやかな筆使いあるマチエール。
重なり合う色彩が放つ力強い存在感。
太陽が輝く情熱の国は、色彩の画家と呼ばれる吉岡の手によってどのように描かれるのでしょうか。これまでの集大成とも言える作品の数々と、吉岡のさらなる挑戦をご期待ください。
2009年11月27日(金)-12月7日(月)
Bunkamura Gallery 03-3477-9174