パルファン サトリの香り紀行

調香師大沢さとりが写真でつづる photo essay

インタビュー 極東から見たオリエンタル・タイプとは Orientaltype

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インタビュー 極東から見たオリエンタル・タイプとは Orientaltype

  

Q:あなたの感じる東洋の世界と、西洋で考えるオリエンタルの違い、そしてその香調の受け止め方はどのようなものですか?
 


A: その視点は西洋の国で捉えられているオリエンタル・東洋の世界とは若干違っているかもしれません。

 

ヨーロッパの人たちから見て、オリエントは神秘の国だったのでしょう。東の方といっても、中近東から東南アジアまで含めたエリアのイメージが混ざって、一体となったもののようです。
 

したがって、香水の世界で言うオリエンタル香調の骨格は、東南アジアのスパイス、ウッディや、中近東を思わせる樹脂のバルサミックな甘さ、バニラやアニス調のパウダリースイート。

さらにアニマル、レザーなどの重厚さを出す素材で、エキゾチックを表現したものではないでしょうか。

 

日本は長く鎖国状態にありましたから、ヨーロッパからは一層遠い未知の国であり、西洋で言うオリエンタルの香りには投影されにくかったと思われます。

 

私が感じるオリエンタルは、もう少し東寄りの極東アジア。同じアジアでも、地理や気候、宗教、文化が違いますのでイメージも異なります。

 

西洋の香水におけるオリエンタル、「東」の世界の香調は、日本から見れば、むしろ「西」寄りなのです。

 

 

当然、嗜好も異なりますので、オリエンタル香調との差を感じずにいられません。

四季のある、そして夏には独特の湿度のある気候だからこそ、ドライな香りを好むのです。食文化をみても、その違いは明らかなのではないでしょうか?

 

 

(この記事は過去のプレス・インタビューから、回答を編集して掲載しました。)

 

 

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