パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ヤマザクラ、雨桜 Cerasus jamasakura

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この3月の大雪で倒れた桜の木。

チェンソーで解体し、どんどん片付けている中、
「このままにしておいてください」という張り紙がしてある倒木があった。

残った枝先の桜がやがて咲いた。

 

そして雨。

 

遠くからも花びらが降ってくる。黒々と濡れた幹に白い花びらがとまって、まるで着物の柄のようだ。

粋な柄。昔の人はこんな身近なところに美を見出して、絵や工芸品に描いたのだろう。

 

母子森の入り口に、若いやまざくらが立っている。ちょうど花が目の高さなのでアップで撮ることができた。

おりしも雨の後、しずくをまとって純白の白い花。赤褐色の葉が渋めでよい。

 

 

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雨と雨の合間の短い時間に、ちょっと新宿御苑に行ってみた。
4月の塵は洗い流され、まだはなびらは初々しい。

ヤマザクラはローズPの匂いがするものだが、ここの木はまだ若いせいか淡いようだ。

 

別の場所、日本庭園に倒れ掛かるヤマザクラの古木は非常に甘く、コスメティックな香りがして、思わず自分の手や服に香料が付いているではとクンクンしてしまった。

 

かおりはやっぱり花からしているようである。

ヤマザクラは、1本1本が異なる色合いや開花時期で面白い。

 

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