パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

匂い桜  新宿御苑のオオシマザクラ

110409オオシマザクラ1.jpg

新宿御苑に咲くオオシマザクラの匂いを、毎年楽しみにしている。

 

 

 

新宿御苑にはたくさんのオオシマザクラがある。

 

110409オオシマザクラ2.jpg

 

オオシマザクラが属する、ヤマザクラの仲間は花時期が長い。
純白の花は、ソメイヨシノよりも少し大きく、葉も一緒に開く。

古い着物には、葉も一緒に描かれている桜柄がよく見られる。
ヤマザクラだろうか。
ソメイヨシノは明治になっての新しい品種だから。

 

 

110409オオシマザクラ3.jpg

 

さわやかで、甘い香り。
顔をうずめて、匂いを吸う。

匂いは、それぞれの木で少し違うようだ。
日当たりのよい、この木の花はさわやかなグリーンと、ハニーっぽいローズPの匂い

がする。

 

代々木門の近くの、お気に入りのオオシマザクラは、
この日はなぜか去年と違う、スパイシーハーバルな匂い。
ちょっとバジルのような、癖のある香りがする。

こんなこと、初めて。

桜にもストレスを感じたりするのか、それとも私の感覚が変なのかな?

 

 

110409八重ベニシダレ1.jpg

枝垂れ八重桜。

濃いピンクで、花弁の切れ込みが深くフリフリしている。
滝のように流れて、優雅。

 

 

110409八重ベニシダレ2.jpg

 

あでやかな枝垂れ八重桜の向こうに、橋が掛っている。
さらに向こうには若緑の柳が揺れている。

東京の真ん中、新宿とは思えない風情。 

 

110409白妙.jpg

 

白い花が好き。

白妙(しろたえ)という八重桜。
和風の名前だが、姿は洋風だ。

 

110409白妙2.jpg

 

少し角度を変えて撮った「白妙(しろたえ)」

ちょっと毛の生えた萼は、モス・ローズにも似ている。

白く清純な八重の花は、桜がバラ科だということを思い出させてくれる。
そして淡いピンクのつぼみは、リンゴも同じバラ科だということを。

 

 

 110409太白.jpg

 

「太白」という白くて大きい桜。
大きな木の、たくさんのつぼみの中で、まだ、この一輪しか咲いていない。

これからのお楽しみだ。

 

 

桜もいろいろな種類がある、とあらためて思う、4月の御苑だ。

 

 

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.