新宿御苑に咲くオオシマザクラの匂いを、毎年楽しみにしている。
オオシマザクラが属する、ヤマザクラの仲間は花時期が長い。
純白の花は、ソメイヨシノよりも少し大きく、葉も一緒に開く。
古い着物には、葉も一緒に描かれている桜柄がよく見られる。
ヤマザクラだろうか。
ソメイヨシノは明治になっての新しい品種だから。
さわやかで、甘い香り。
顔をうずめて、匂いを吸う。
匂いは、それぞれの木で少し違うようだ。
日当たりのよい、この木の花はさわやかなグリーンと、ハニーっぽいローズPの匂い
がする。
代々木門の近くの、お気に入りのオオシマザクラは、
この日はなぜか去年と違う、スパイシーハーバルな匂い。
ちょっとバジルのような、癖のある香りがする。
こんなこと、初めて。
桜にもストレスを感じたりするのか、それとも私の感覚が変なのかな?
枝垂れ八重桜。
濃いピンクで、花弁の切れ込みが深くフリフリしている。
滝のように流れて、優雅。
あでやかな枝垂れ八重桜の向こうに、橋が掛っている。
さらに向こうには若緑の柳が揺れている。
東京の真ん中、新宿とは思えない風情。
白い花が好き。
白妙(しろたえ)という八重桜。
和風の名前だが、姿は洋風だ。
少し角度を変えて撮った「白妙(しろたえ)」
ちょっと毛の生えた萼は、モス・ローズにも似ている。
白く清純な八重の花は、桜がバラ科だということを思い出させてくれる。
そして淡いピンクのつぼみは、リンゴも同じバラ科だということを。
「太白」という白くて大きい桜。
大きな木の、たくさんのつぼみの中で、まだ、この一輪しか咲いていない。
これからのお楽しみだ。
桜もいろいろな種類がある、とあらためて思う、4月の御苑だ。