おだまきの咲く季節になってきた。
紫の色といい、名前といい、和的な花だと思っていたがヨーロッパにも自生しているという。
糸を巻く苧環の形に似ているというのが花の名の語源である。
歌舞伎の演目、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)の中 「道行恋苧環(おだまき)」 という場面がある。
主人公のお三輪は、夜毎、家を訪ねてくる恋人の素性を知るため、糸の端を男の袖に縫いつけて、帰っていく道の伸びる糸をたどって追っていくシーンである。
これは、おだまきが「縁結び」の象徴として使われているのだそうだ。
昔の家の庭、下草にこのオダマキの白い花が咲いていた。
後ろに伸びた距が面白い形である。」