パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

フジ,Wisteria floribunda

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美しく咲く藤の花。

藤はやっぱり日本の花だ。

 

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藤はつぼみのときはとても地味なので、遠目に見た藤棚は枯れた冬のときと変わりがない。
うっかりしているとあっという間に咲いて散ってしまう。


おととしの震災直後の4月はつぼみがもうあったのでそれなりに咲いたが、去年は震災の後のせいか花芽が育たなく、あまり咲かなかった。

今年はどうかな?と心配していたのだが、たくさんの蕾が付いていた。
やれやれほっとした。

 

4月5日のまだ固い蕾。
何かに似ている。アスパラガスの先とか?

 

 

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これは4月12日。
花のもとの方から少しずつバラけてきて、つぼみが紫色に染まってきている。

 

誰でもきっとそうだけど、仕事がいつも忙しい。
最近ますます拍車がかかってなかなか毎日は来れないが、藤やこの時期の花の香りを見るために、早朝、駆け足でポイントだけチェック。

一年中咲くブーゲンビリアやハイビスカスと違って、日本の花はあっという間に去って行ってしまうので、その時に急いで香りを見ないとまた一年会えないのだ。

ブーゲンビリアやハイビスカスは芳香植物でないし)

 

 

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流れる紫の花が高貴である。

 

 

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咲き始めの根元のほうは高く、背伸びしても香りに届かない。

棚一杯に咲くころは、たくさんのクマバチが来るから、鼻を近づけるのも大変だ。

 

今までの香りの記録ではハニー、グリーン、パウダリー、オレンジフラワー調、少しシンナミック。

藤の色や種類でもそれぞれの香気成分の割合と強さが違う。

同じ民族でも、ひとりひとりの顔や声が違うように。

 

 

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