人は罪深いものであって、悪いことをしない人というのはいない。
しかし罪悪感というのがあるので、悪事をした後はみな悔いたり怖れたりしながら生きていたのだろう。
この庚申伝説、自分の悪事を夜中に報告する虫が体内にいるという発想には、どことなくおかしみも感じる。
民間伝承は怖さだけでなくブラックユーモアを持つようだ。
港区指定有形文化財
歴史資料 広尾の庚申塔
庚申信仰は、庚申の日の夜に体内にすむ三尸虫(さんしちゅう)が、眠っている間に体内を抜け出して、天帝にその人の罪科を報告して命を縮めるといわれているため、眠らずに一晩を明かすもので、講の形をとって地域住民の交際の場となっていました。庚申塔は庚申信仰を具象的に表現する塔として、室町時代後期以後各地で盛んに建てられました。(下立札より抜粋)