ものを作るプロとは
「このコースが終わったらプロになれますか?」
「いつプロになれるでしょう?」
そういう質問が、ままある。「プロ」というのが何を指すのだろうか?
ピアノのバイエルから始めて音大を出ただけで、「ピアニストになれますか?」「美大を卒業したら、画家になれますか?」という質問に似ている。
基本を学ぶのは絶対に必要なことだが、基礎だけ終えてプロだとは言えない。基礎以上の学びをおさめて、やっとこの世界に誕生した赤ちゃんになっただけである。
そこから本人の才能と努力によって、なれる人もいるし、なれない人のほうがむしろ多いだろう。
自分の作品に真摯に向き合い、研鑽を積む。そして30年たったら、ちょっとわかるようになってきたかな、と思えるようになる。
作ることとはそんなものらしい。
写真:未来の巨匠(かも)