パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ジャーマンアイリス あやめ German iris

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新宿御苑ジャーマンアイリス、あやめ。

 

アヤメ科の仲間はいろいろあってなかなかに難しい。

水辺に咲くキショウブ、花菖蒲、カキツバタ

畑に咲くアヤメ、アイリス。

 

日本のアヤメ類はきりっとしていて、外来種はデロっとしている。

 

 

 

上に立つ3枚と、下にさがる3枚の花弁は、ちょうどシャツとスカートのように

色合わせがいろいろで面白い。

 

これは薄い紫と濃い赤紫のコンビネーション。

庭にあるより、部屋にいけたほうが映えそうだ。

 

 

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アイリスのモチーフは西洋、東洋の美術で繰返し描かれてきた。

 

古くは宗教画に描かれ、北斎のあやめが影響を与えたともいわれる、ゴッホのアイリスはあまりにも有名だし、モネ、ミュシャなど枚挙にいとまがない。

 

変わった姿と色の美しさにインパクトがあり、創造力を湧きあがらせる。

 

 

 

 

 

 

イリスとは

現存する香料の中で最も高価なイリス(アイリス・ニオイアヤメ)。イリスはアヤメの仲間で、香料用には地中海沿岸地方原産の特別な「イリス」の根茎を使います。根の生育には時間がかかり、乾燥熟成まで入れると収穫までに7年もの年月がかかります。採油率も低く、さらに何段階もの抽出法で純度を上げた最高級のものは1kg=1千万円するものも。バラやジャスミンのような派手さこそありませんが、柔らかな光のイリスは調香師にとって、宝石のように感じられる香りです。
南仏で出会った高品質のイリスの香料が、大沢さとりに様々な記憶をよみがえらせ、作品のインスピレーションを与えました。

 

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