こんなに綺麗な紅葉を見ていると、着物の柄にしたいと言う気持ちがよくわかる。
凍える季節を前にして、一瞬燃え上がる樹木たち。
大正から平成にかけて活躍した作家の宇野千代さんは、着物のデザイナーでもあった。
生涯に11件の家を建てる。
ある庭には紅葉(もみじ)だけを一面に植えたという。
春はいっせいに芽吹き、夏は涼やかな緑の木陰、秋には赤ひといろに染まり、冬は葉を落とした裸の林に雪が降る。
とてもドラマチックな景色が思い浮かぶ。
毛羽立ったカシミアのコートに、優しくブラシをかけるような、草木の癒し。
毎日、ストレスの中にいて、体が帯電する気分。
森の中に入ると、頭のてっぺんから穏やかに放電していくみたい。