自然とのつながり:マイナスイオンに癒されて
7月。頭の中がいっぱいで、充電より先にまずは放電しないと、何も入ってこないような気がしました。
「一人で旅をしたい…」と、旅行案内をぼんやり眺めながら行先に悩みます。
毎年、ヨーロッパに行っていましたが、一方で日本の国内はあまり知りません。しかしコロナ明け以降は海外に行く代わりに、国内のイベントでの短い出張が増えて、国内旅行が以前より身近に感じられるようになりました。
長いこと、私にとって「屋久島」は、パリよりも遠い憧れの秘境でした。
『そんな遠くには無理、、、』
にもかかわらず、ふと「屋久島に行こう」と思い立ち、チケットを取り、宿を予約してみたら、あっという間に屋久島に着いてしまいました。
屋久島の探訪
世界自然遺産に登録された屋久島は、沖縄の亜熱帯と、北海道の亜寒帯が共存する独特な気候を持つ小さな島です。島には多様な植物相(しょくぶつそう)が広がり、研究者が世界中から訪れています。
屋久島は特に苔類の宝庫であり、日本にある約1700種のうち600種が屋久島の原生林に育まれています。
神秘の島「屋久島」
屋久島は、日本の自然が凝縮された宝石箱のような場所です。青い海、緑の森、豊かな水。スコールが雨雲をまとい、瞬く間に訪れては去っていきます。
今回の旅の一番の目的は、苔と屋久杉の撮影です。そのためロングトレッキングは避け、白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)と屋久杉ランドのショートコースを駆け足で回りました。
白谷雲水峡は、苔のゆりかごのような場所で、特徴的な苔をいくつか撮影できました。この日は、下界では晴れて暑かったのですが、林道に入ると雨が降り出し、やがて土砂降りに。
「憩いの大岩」と呼ばれる岩に刻まれた段は、憩うどころか必死で登ります。木の遊歩道では、滑りやすい足元に注意しながら慎重に歩きました。
しかしそこを超えて、いくつもの滝が集まる渓流に沿って歩けばそこは屋久杉の原生林。苔が雨に濡れて瑞々しく、重なり合った杉の古木が創り出す光景は、まさに絶景でした。
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https://www.instagram.com/reel/C98oFwUSxdd/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
苔との個人的なつながり
実は、私の誕生日の花は「苔」です。だから苔に特別な思いがあるのかもしれません。潤いのある苔を眺めていると、人間が太古の森から生まれたという信仰に心が動かされる気がします。私は、苔が本当に気にいっているんですよ!
苔のリール動画をみる↓
https://www.instagram.com/reel/C9zkUezvVuW/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
旅の体験
屋久島空港は滑走路が短いため、ジェット機は発着できません。久しぶりにプロペラ機に乗りました。
羽田から屋久島への旅は、行きは福岡経由で、帰りは大阪伊丹空港で乗り継ぎです。
私は、飛行機での離陸の瞬間がとても好きです。機体のスピードが上がり、車輪が離れる瞬間、全ての束縛から解放されるように感じます。
珍しく窓際に座り、外を眺めていると、海に浮かぶ美しい虹が見えました。
リール動画をみる↓
https://www.instagram.com/reel/C-FY5nMPCzm/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
苔のテラリウム
屋久島で、苔のテラリウムを購入しました。ボトルの中には3種類の苔が入っており、フワフワしていて可愛いです。自分が小さくなってボトルの中に入り、苔の森を散策している気分になります。
香りと想像力
調香の際、体験から香りのイメージが湧くこともありますが、憧れや空想からも生まれることがあります。「苔清水-KOKE SHIMIZU-」は2005年に制作しました。当時、屋久島を訪れたことはなく、想像上の島のイメージで作った香水です。20年後、実際に屋久島を訪れ、メイキングストーリーの最後のピースがはまりました。
現実の屋久島は、私の想像と寸分たがわぬ森の姿でした。これは「ミズナラ」の香水でも同様でした。心に広がる光景が、実際の体験によって追認されることがあります。
今回は南の島を訪れたので、来月は北の国へ行きたいと思います。
オフィシャルサイト
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