パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

万葉集

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Manyo Luster: 英訳:リービ英雄 写真:井上博道 アートディレクション 高岡一也

万葉集の歌はとても数が多くて、知っているのはほんの一部だけれど、とても素敵だと思う。
情緒豊かな日本人の感性が、美しい言葉で綴られていてうっとりとする。

昔、ある和食のお店で大きなガラスの間仕切りを見た。梅と鶯、そして英訳された万葉集エッチングされていた。透明なガラスに描かれた白い絵と文字が、景色を邪魔するでなくさらっと置かれていて、また和と英語の取り合わせがとても新鮮に感じたものだ。
 
しばらくして、書店でこの本'Manyo Luster'を見つけて、そのガラス絵を思い出し、一目で気に入ってしまった。
日本最古の和歌集である万葉集を、写真と英語で楽しめる。

2002年に初版が出され、私が持っているのは2004年の第5刷、今も版を重ねている。
万葉集を研究している」という人の話を聞くと、本格的に学問をするのは大変だけど、
楽しんで眺めるのに、これは趣味のよい本だと思う。
 
「大伴宿禰家持の初月の歌一首
振仰けて若月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも

As I turn my game upward
and see the crescent moon,
I recall the trailing eyebrows
of the woman I saw but once.
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読み:ふりさけてみかづきみればひとめみしひとのまよびきおもほゆるかも
意味:空とおく振り仰いで三日月をみると、一目だけ見た人の引き眉が思われることよ」
(Manyo Luster: 英訳:リービ英雄 写真:井上博道 アートディレクション 高岡一也 P306)
 
 
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