梅林に訪れているのはツグミ。
冬に渡ってくる小さな鳥だ。
「クリスマスプディングの冒険」という短編集の中に入っている。
少し大きいスズメのようにも見える。
寒い土地から暖かい土地へ、あるいは暑い場所から涼しいところを求めて、渡り鳥は長い距離を旅する。
近所で、エサをついばんで一生を終える鳥もいるのに、
あえて厳しい旅に向かわせるものは何なのだろう。
命じられたわけでもないだろうに、
「なぜ渡りをするのか、しなければならないのか?」
ツグミの体は知っている。
この梅林のつぼみはまだ固い。
つぐみ 鶫 学名 Turdus eunomus