パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

チューリッヒ芸術大学講演5‐'The Perfumative - Parfum in Art and Design'

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話があちらこちら飛ぶのですが、スイスに向かうため羽田を出発しました。
 
チューリッヒへの直行便はないので、パリ、シャルルドゴールでトランジット。空港近くのホテルで1泊し、翌朝になって目的地へと飛ぶコースです。
 
 
2年前に別の航空会社でニースへトランジットするときに、離陸が4時間も遅れ、結局ニース最終便にタッチの差で間に合わず一泊したことに懲りて、ロングフライトのときは無理をしないことにしています。
 
フライトは約12時間。昼間の便なので、機中で寝てしまうと、パリについてから中途半端な時間になってしまう。。。そう思って、2種類の白ワインと水をガソリンにして、英文原稿の朗読練習をしながらずっと起きていることにしました。
 
 
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日本語の細かなニュアンスをできるだけ正確に伝えたいので、翻訳はプロの方にお願いしました。
 
専門分野に特化した論文翻訳の方も探したのですが、ご紹介のご縁があったのは、日本語の歌詞や邦画の英訳が経験豊富なリン・ホブディ(Lynne Hobdey )さん。
 
リンさんはイギリス出身の舞台女優で日本在住。歌詞を書いたりライブも開催するミュージシャンです。Hydeさんや「L'Arc〜en〜Ciel」さんの曲も英訳しています。
 
 
先にヒョウゲ(旧織部)のブログの英訳をして頂き、言い回しがとても素敵だと感じて、ぜひにとお願いすることにしました。
私の講演は固い論文というより、日本の情緒を詩的に表現したかったのです。
 
ちょうどそのころ出版されたのが、日本文化をイラストで紹介した「The Fantastic Edo Era(すてきな江戸時代図鑑)」。
 
なるほど、リンさんは、こんな本も英訳しているので日本文化の理解が早いのだと納得。とても面白い本です。
 
 
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さて話は10月11日に戻ります。日本語原稿をリンさんに渡してから翻訳が上がるまで、パワポの資料を作ったり、講演会場の隣のプレゼンルームに展示するものを用意したりしているうちに10日間がすぎ、そして10月22日に翻訳原稿ができてきました。
 
 
英文にすると日本語よりも3割増しくらいにはなると思い、翻訳前にかなりカットしたはずなのですが、朗読してみたら30分どころか1時間近くかかりそう...。言いたいことはたくさんありましたが、ここでもカットし、ぜい肉を落とします。音読しながら書き直す、この作業にさらに1週間で、10月も末になりました。
 
11月7日の出発まで残された練習期間は1週間。
 
 
リンさんと一緒に特訓をしながら、再び読みにくい単語やしっくりっこない言葉を置き換えて、シンプルにしていきました。
 
リンさんの朗読は流れるように美しい声で音楽のようです。録音してお手本を繰り返し聞きながら、自分の朗読に凹みます。
 
が、練習練習。
 
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11月のパリは日没が4時半。シャルルドゴールに到着するころは、もうすでに暗くなっています。近くのホテルまでは空国から出ているCDGVAL(シャトル)が便利です。
 
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今宵のホテルはシャトルで2つ目の駅、明日はチューリッヒに入ります。
 
最初は果敢に挑戦する気持ちで始めたのに、のんびりしているうちに期限が迫ってきて「人生最大の難所だ!」と焦りまくり、最後の最後は「まな板の鯉」のようになる、いわば開き直ると申せましょうか。
 
毎回お決まりのパターンを一通り通過したところです。
 
残り2日で、できるだけ練習をする、そしてそれが自分のありのままだから、それでいい。そんな心境でパリの夜を迎えました。
 
つづく
  
 
 
 

【フランス TV番組に出演します】

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フランスのテレビ番組「Sur la piste des senteurs - Japon」(邦題「香りが導く!ニッポンの魅力」)で、調香師 大澤さとりが香りについてお話しします。

フランスのCATV/衛星放送チャンネルUSHUAÏA TV、世界3大ネットワークの1つTV5MONDE(日本ではスカイパーフェクトテレビ)にて、12月10日に放送予定です!

 
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