パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

キンモクセイの香水 ソネット Sonnet / osmanthus

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キンモクセイの香水 ソネット Sonnet / osmanthus

 
キンモクセイの季節にはまだ少し早いのですが、今日は金木犀の花を思わせる熟れた黄金桃と一緒に、「ソネット」の写真を撮ってみました。
 
 
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パルファンサトリのキンモクセイの香り「SONNET (ソネット叙事詩/小さな詩)」。
 
ソネット」は、子供時代の幸せな思い出。
それはいつの世代にも繰り返し訪れる暖かい記憶を指しています。
 
この香りの中心にあるオスマンサス(きんもくせい)は、幼いころから私の大好きな花。
毎年、秋の透明な空気の中、このオレンジ色の花が咲くと「ああ、秋も深まってきた」と感じます。
 
でも、さみしい秋ではなく、実りの秋という充実感があり、それは子供時代の幸せな思い出とつながっています。
 
 
 
この香りに触れるとき、親や祖父母たちも、小さい頃にこの花の記憶があるのではないかしら、さらに次の世代まで、この花の香りを好きになってくれたらいいな、と願って「ソネット」を創りました。
 
ソネット(Sonnet )というのは、もともと「小さな詩」という意味で、イタリア風、フランス風、イギリス風ソネットなどあり、韻(いん)をふんだ14行からなる定型叙事詩です。
 
「ABAB CDCD EFEF GG」 という形式の、シェイクスピアソネットは有名ですね。
 
 
「韻を踏む」が、何世代をも重ねて情景が想い出される。。。
 
そんなイメージで香水に名前をつけましたが、ここでは形式こだわらず、もう少し柔らかい形の「小さな詩」を書いてみました。
 
 
 
夕暮れ時の透明な日差しが
部屋の奥まで伸びて
花の香りが呼んだから
庭のテラスへおりてみた
 
橙色の星の花を
白いハンカチに包んで
私と似た面差しの
6つの少女が笑っている
 
花は時を告げるように
季節とともに巡ってくる
 
追憶のとき
少し褪せた家族の写真に
思い出が韻を踏んで
幾世代も訪れる
 
くり返し
ソネットのように
 
 
 
 
キンモクセイの香水
トップはマンダリンのシトラスと、クラリセージエッセンスのティーノートから爽やかに始まります。そして甘い桃のようなオスマンサス(キンモクセイ)の香りは、やわらかいフローラルの広がりに。金木犀の天然香料も深みを与えました。
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