先日、母が長く住み慣れた千代田区麹町の実家の引越しをした。
その折に、古い写真などが大量に出てきたのである。
母はこの引越しを機会に、「自分の昔の写真は死ぬ前に全部捨てる」と言ってアルバムを大量に整理していたのだが、母の若いころなど、もったいなくて少し剥がしてもらったりした。
何度かの引越しでだいぶなくなってしまったが、私の小さい頃の写真もあり、当時の家の様子や暮らしぶりなどを思い出して懐かしい。
これはおそらく昭和三十年代後半であろう。
これを見た友人が、「さとりちゃんちっとも変ってないし」と言ったが、三つ子の魂百まで。
私はまさに大人の皮をかぶった子供である。
南向きの座敷とリビングに挟まれたテラスでよく遊んでいた。
テラスの石の間に巣を作るありんこにメロンパンを小さくちぎってよくあげたのを覚えている。
ちなみにうしろに見える障子には、赤チンで盛大にいたずら書きをして、部屋をかこむ3面すべて障子の張替をさせることになった。
なぜそのようなことをしたくなるのかはいつも謎なのだが、、、
母の鬼のような顔を見て「まずい」と思い「逃げよう」としても、必ずつかまり小脇に抱えられ、お尻を剝(む)かれて百叩きの成敗にあったものである。
その母も88歳、歩くときは私が抱えるほうになってしまった。
でも生きている限り頭が上がらない。