散るさくら 琴平（ことひら） 新宿御苑 sakura

花びらの重さに耐えかねて、手を離す白い桜、琴平（ことひら）。

風もないのに、花びらが音もなくあとからあとから降って来る。

純白の琴平が、葉を覆い隠すほどにびっしりと咲き、小ぶりの一重の花を散らしている。
それは幽玄な世界。

雨上がりの新宿御苑は空気がしっとりとうるんで、蒸れた新芽の匂いに満ちている。

ソメイヨシノが終わり、一段落したかのように閑散とした日本庭園、花はすでに初夏へと移っている。
名残の花。