パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

フルーツの香り

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甘いお菓子や、みずみずしい果物の香りは、小さい時からなじんでいるので嗜好性が高い。

と、メロンの回で書いた。

人は、その匂いにふれている歳月が長いほど抵抗感がなくなる。小さいころからの体験の蓄積で、そういった香りは、だれにでも受け入れられる。

 

それは、味覚の嗜好とも似ている。お子様はやはり甘いものが好き。複雑なものよりも、シンプルでわかりやすい味を好む。イチゴや、甘いキャラメルは、もちろん大人になっても好きだろう。

でも、カニミソや塩辛と言った珍味や、ビールの苦みなどは、普通は大人になってから楽しめる味だ。味覚の幅が、年齢と経験によって広がっていく。

 

今は世の中、可愛い香りが中心だが、人々の香りに対する許容も少しづつ広がり、より複雑で滋味のある香りも理解できるように、市場が成熟してもらいたいものだと思う。

 

バナナの香りはイソアミルアセテート(Isoamyl acetate)。薄めていくと洋ナシのような香りにもなる。

りんごの香りはリガストラル(ligastral)のグリーンと、フルーティなアセテートをいくつか、果肉感をムスクで出す。

 

 

 

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