はじめてひよどりの写真を撮った。
御苑の中は道が入り組んだり、分かれたりしている。
地図は持たないで気の向くままあっちこっち、、熟知しているつもりでふと方向感覚を失うことがある。
そんなときはところどころの立て看板を見て歩く。
見てるつもりで気付かないことも多い。
昨日もあったはずなのに、今日初めて知ることがある。
ばったり出会った植物や鳥たち。
どこかでギアがかみ合って、会う準備ができたということだ。
新宿御苑には野鳥が多い。
花を撮るのに飽きたころ、いろんな鳥に目が行って撮りたくなるのだが、
植物と違ってじっとはしてくれない。
三脚も長い望遠レンズもなく、痛い首と腰をこらえながら頭上の動く小鳥を追う。
そうしてみると、それぞれの装いの細かいディティールまで目がいくようになる。
あいきょうもののハクセキレイやオシャレなシジュウカラ、かわいいジョウビタキ。
知らないことはたくさんあって、知ることってうれしい。
木漏れ日のさす林の中の道をどんどん歩くのは楽しい。
開けた広場の、厚い弾力のある芝生の上も暖かくて気持ちがいい。
自然といっても所詮都会の中の小さい庭の一角。
すみずみまで知ろうとすればすぐに制覇してしまうに違いない。
でも、散歩は読書のようなものだから・・・。
「あとがき」を見てから読む人もいるかもしれないが、初めから結末を知って読んだらつまらない・・・。
キーパーソンも布石も伏線も、本を読み進む中で気がつく。
時には何度も読み返した中で、別の個所に感動したりする。
楽しみは、ちょっとずつ味わうものだもの。
読書もお散歩も、探検だ。