ヤツデというのは、昔から裏庭の薄暗い所に植わっていると決まっていたものだ。
じみーな木。
ヤツデ、というが葉の枚数は7枚か9枚の奇数で、中指のように中央が長い。
あまり気にも留めていなかったが、冬枯れの新宿御苑。
花が少ない中でちょっと目立つのでよく見てみる。
秋から冬にかけては花が少ないので、アブやミツバチにとってはご馳走なのだそうだ。
白くて小さくて、案外かわいい花じゃないか。
珠のようについた蕾は、五弁の花びらを開き、長い蕊をのばす。
残念ながら匂いはあまりないようだ。
「天狗のうちわ」という名前もあるように、天狗が持っている羽うちわの形をしている。
天狗って、今の若い人は知っているのだろうか?
昔話で読んだ、ぼんやり覚えている内容。
天狗のこのうちわで顔をあおぐと、鼻がどんどん伸びたり、逆に縮んだりする。
きっとごますりの上手な人は、このうちわを持っている。
お世辞をいうと、ホント、人の鼻はどんどん高くなってしまうから。
気をつけよう・・・。