パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ひとりひとりがみんなブランド 基礎科12タイプ香水

 

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 ひとりひとりがみんなブランド


生徒さんはみな、自分の好きな香りを自由に作る。
それは、「売れる香り」や「受ける香り」という枠にとらわれない。

 

だから、一人の人がいろんなタイプの香水を作っても、それぞれの個性や特徴が出る。

 

それまで体験してきたこと、知識、趣味、そういったものすべてが作品の中に共通してあらわれてくる。

たとえば、基礎科では12本の香水をテーマを決めて自分を作るが、違う香りなのにどことなくその人の顔が見えたりするものだ。 

世界の名画12点、ギリシャ神話の神々、源氏物語、日本の伝統色12選などのほか、「東海道五十三次の中から12宿」といった、意外性のあるテーマを考える人もいた。

香料の面白い取り合わせをする人もいる。完成度はまだ未熟でも、キラキラ光る魅力がある。画一化した既成品とは違うものだ。

だから、ひとりひとりがみんなブランド、というわけだ。

 

 

 

私の調香教室では、物を作ることが好き、きれいな物が好き、香りが好き、だから楽しい。
そんなところから始めてほしいし、きっと好きの先に自然と道が広がってくる。

そんな風に考えているからだ。

  

 

香りを作ることで、まず自分の気持ちが豊かになる。
またある人は、今の仕事の幅を広げることに役立てる。

 

そして自分の中の可能性を大切に育てていく。
それは時間のかかることだけど、失うことのない本当の価値だと思うのだ。

 

 

 

 

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